2008年のブナの全国結実状況
○2008年に結実が観察された調査林分は北海道1カ所、東北4カ所、太平洋側の関東9カ所、中部4カ所、北陸9カ所、関西1カ所、中国1カ所、四国3カ所、九州3カ所の計35林分であった。全調査林分の44%で結実が認められ、残りの56%の林分でほとんど結実しなかった。結実林分の割合は2007年(佐藤,2008)と同じであった。結実が観察された林分は北海道から関東、北陸、関西、四国、九州に集中していた。
北陸地方の結実状況は、富山県と石川県の標高の高い山地では結実したが、低地型ブナ林では結実しなかった。また、全国的に見ても結実林分と結実しない林分が、東北、関東、関西を中心にモザイク状に分布していた。北海道と東北、関西と中国、四国と九州をそれぞれまとめて1つの地域とし、結実率=0と結実率≧1の分布においてχ二乗検定を行うと、地域によってに結実林分と結実しなかった林分の割合に有意な差が認められた(χ2cal=15.51,P<0.05)。
○有効な果実の散布が行われる結実率は3以上と考えられる(佐藤,2002)ので、そのような林分は21カ所で、全調査林分の26%であった。また、結実率が8を越える豊作の林分は、北海道、関東、北陸、中部、関西、の7カ所有り、全体の9%であった。大部分の木で結実が見られたものの、1本当たりの健全果実が少ないという報告が、多くの場所であり、2005年の日本海側での大豊作のように大量の健全果実が散布されたところは少ないと推定されました。。
○林分の平均胸高直径と結実率の関係を図3に示した。胸高直径が20−39cm階級の調査林分数は13林分(全体の16%)で、その内の31%で結実が観察された。40−59cm階級の調査林分数は45林分(56%)で、その内の42%で結実が観察された。60−79cm階級の調査林分数は20林分(25%)で、その内の50%で結実が観察された。80−99階級の調査林分数は2林分(3%)で、すべての林分で結実が観察された。下位の3つ階級は共に、よく似た結実率であった。80cm以上の階級はサンプル数が少ないので、60-70cm階級に含めて、χ二乗検定を行うと結実率=0と結実率≧1の分布において、直径階級による違いは認められなかった(χ2cal=1.97,P>0.05)。
○富山県内のブナ林のリタートラップで、結実の落果が確認された林分は有峰と美女平であった。有峰と美女平の落果数は19.6/屬4.9/屬如△修里垢戮討”しいな”と虫食いであった。健全果の割合は0%であった。