2009年のブナの全国結実状況
林分の平均胸高直径階級、および林分標高階級と結実率階級の関係
○2009年に結実が観察された調査林分は北海道1カ所、東北3カ所、太平洋側の関東5カ所、中部5カ所、北陸34カ所、関西2カ所、中国2カ所、四国2カ所、九州1カ所の計56林分であった。結実林分の割合は2000年(79%;佐藤,2001)と2005年(70%;佐藤,2006)とよく似ていたが、結実率8-10の豊作林分の割合は2000年が30.7%で、2009年(33%)とよく似ていた。全国的に見ると、東北から関東を中心に凶作林分と結実林分がモザイク状に分布していた。北陸地方の結実状況は、富山県と石川県、福井県の調査林分すべてで結実した。北海道と東北、関西と中国、四国と九州をそれぞれまとめて1つの地域とし、結実率=0と結実率≧1の分布においてχ二乗検定を行うと、地域によってに結実林分と結実しなかった林分の割合に有意な差が認められた(χ2cal=25.8,P<0.05)。
○有効な果実の散布が行われる結実率は3以上と考えられる(佐藤,2002)ので、そのような林分は44カ所で、全調査林分の57%であった。また、結実率が8を越える豊作の林分は、北海道、関東、北陸、中部、関西、中国、四国の25カ所有り、全体の32%であった。大部分の木で結実が見られたものの、1本当たりの健全果実が少ないという報告が、多くの場所であり、2005年の日本海側での大豊作のように大量の健全果実が散布されたところは少ないと推定された。
○林分の平均胸高直径と結実率の関係を上に示した。χ二乗検定を行うと結実率=0と結実率≧1の分布において、直径階級による結実率階級の割合の違いは認められなかった(χ2cal=6.25,P>0.05)。 ○林分が立地する標高階級と結実率の関係を上に示した。結実率階級の割合は標高階級ごとに違いが認められた(χ2cal=8.63,P<0.05)。
○富山県内のブナ林リタートラップ調査の結果、有峰と美女平、相倉の落果数は、それぞれ149個/屬121個/屐191個/屬如△修里曚箸鵑匹”しいな”と虫食いであった。健全果は有峰と相倉で14個/屐美女平で3.2個/屬如⇒邁命瑤10%以下であった。同じ林分でも結実個体と全く結実していない個体がモザイク状に混じっている状態であった。これは昨年とよく似た傾向であった。