2010年のブナの全国結実状況
林分の平均胸高直径階級、および林分標高階級と結実率階級の関係
○2010年に結実が観察された調査林分は北海道1カ所、東北1カ所、太平洋側の関東7カ所、中部2カ所、北陸2カ所、関西1カ所、中国1カ所、四国4カ所、九州2カ所の計21林分であった。全調査林分の23%で結実が認められた。2010年の結実林分の割合は1996年(23%;佐藤,1997)と2006年(24%;佐藤,2007)とよく似ていたが、結実率8-10の豊作林分の割合(2.3%)は、2004年(3.0%)や1994年(4.5%)とよく似ていた。
○有効な果実の散布が行われる結実率は3以上と考えられる(佐藤,2002)ので、そのような林分は13カ所で、全調査林分の14%であった。また、結実率が8を越える豊作の林分は、九州の2カ所だけで、全体の2%であった。
○林分の平均胸高直径と結実率の関係を上に示した。胸高直径が20−39cm階級の調査林分数は12林分(全体の13%)で、その内の17%で結実が観察された。40−49cm階級の調査林分数は48林分(52%)で、その内の27%で結実が観察された。50-99cm階級の調査林分数は32林分(35%)で、その内の19%で結実が観察された。3つの直径階級間に結実率の違いがあるかどうかをχ二乗検定を行った。その結果、結実率=0と結実率≧1の分布において、直径階級による違いは認められなかった(χ2cal=1.17,P>0.05)。 ○林分が立地する標高階級と結実率の関係を上に示した。結実率階級の割合は、高標高域で高く低標高域で低いという、標高階級による違いが認められた(χ2cal=9.63,P<0.05)。
○富山県内のブナ林リタートラップ調査の結果、有峰と相倉、瀬戸蔵山では落果は確認されなかった。美女平の落果数は、1.2個/屬如△修里垢戮討”しいな”であった。健全果は認められなかった。リタートラップには5〜6月に雄花序と雌花序が入っており、結実が期待されたが、未熟な雌花序(小さい殻斗)が6月に落果し、その後は殻斗もほんのわずかであった。美女平の林分では、開花個体と開花しなかった個体がモザイク状に混じっている状態であった。