2011年のブナの全国結実状況
林分の平均胸高直径階級、および林分標高階級と結実率階級の関係
○2011年に結実が観察された調査林分は北海道2カ所、東北5カ所、関東7カ所、中部6カ所、北陸34カ所、関西4カ所、中国5カ所、四国0カ所、九州0カ所の計63林分であった。全調査林分の69%で結実が認められた。2011年の結実林分の割合は2005年(70%;佐藤,2006)と2009年(71%;佐藤,2010)によく似ていたが、結実率8-10の豊作林分の割合(46%)は、1993年(70%)より小さい値であったが、2005年(54%)と1995年(51%)に次いで大きな割合であった。
○有効な果実の散布が行われる結実率は3以上と考えられる(佐藤,2002)ので、そのような林分は54カ所で、全調査林分の60%であった。また、結実率が8を越える豊作の林分は、九州の2カ所だけで、全体の2%であった。
○林分が立地する標高階級と結実率の関係を上に示した。0-499m階級の林分は19カ所あり、その内16カ所で結実率≧1であった。500-999m階級の林分は33カ所あり、その内24カ所で結実率≧1であった。1000-1499m階級の林分は30カ所あり、その内19カ所で結実率≧1であった。1500m以上の階級は7カ所あり、結実率≧1は4カ所であった。結実率階級の割合は、標高階級による違いが認められなかった(χ2cal=3.2,P>0.05)。
○富山県とアンケート等に記載された各地の様子を以下に示す。富山県内のブナ林リタートラップ調査の結果、美女平の落果数は、719個/屬如△修51%が健全果であった。有峰の落果数は、902個/屬如△修72%が健全果であった。また、相倉の落果実数は1009個/屬如△修49%が健全果であった。落下果実数が1崚たり数百個となる豊作年は、富山県では2005年以来である。