2017年のブナの全国結実状況
林分の平均胸高直径階級、および林分標高階級と結実率階級の関係
〇アンケートの回答は39名の方から得られ、調査林分は81カ所であった。回答のあったブナ林分は北海道が3カ所、東北地方が9カ所、関東地方が10カ所、北陸が32カ所、中部が9カ所、関西地方が4カ所、中国地方が4カ所、四国地方が4カ所、九州地方が6カ所であった。
〇2017年に結実が観察された調査林分は、北海道3カ所、東北3カ所、関東8カ所、北陸24カ所、中部8カ所、関西3カ所、中国2カ所、四国1カ所、九州2カ所の計54林分であった。全調査林分の67%で結実が認められた。残りの33%の林分でほとんど結実しなかった。
〇調査を開始した1993年以降では、2017年の調査林分数に対する結実林分数の割合(67%)は、2005年(70%)や2011年(70%)、2002年(63%)とよく似ていた。特に結実率8-10の豊作林分の割合(16.0%)は、2002年(16.8%)とよく似ていた。
〇有効な果実の散布が行われていると考えられる結実率3以上の林分は43カ所で、全調査林分の53%であった。。
〇林分の平均胸高直径階級と結実率の関係を図3に示した。胸高直径が20-39cm階級は16林分(全体の17%)で、69%の林分で結実が観察された。40-49cm階級は23林分(28%)で、その内の61%で結実が観察された。50-99cm階級は42林分(52%)で、その内の69%で結実が観察された。3つの胸高直径階級間に結実率(結実率=0と結実率≧1の分布)の違いがあるかどうかをχ二乗検定を行った。その結果、林分の3つの平均胸高直径階級間に豊凶の違いは認められなかった(χ2cal=0.49,P>0.05)。
〇林分が立地する標高階級と結実率の関係を図4に示した。0-499m階級は16林分で、その内7林分で結実が認められた。500-999m階級は30林分で、その内22林分で結実が認められた。1000-1499m階級は30林分で、その内20林分で結実が認められた。1500m以上の階級は5林分で、その内3林分で結実が認められた。林分の立地標高階級による結実率の割合に有意な違い認められなかった(χ2cal=1.48,P>0.05)。
〇0-499m階級は16林分で、その内7林分で結実が認められた。500-999m階級は30林分で、その内22林分で結実が認められた。1000-1499m階級は30林分で、その内20林分で結実が認められた。1500m以上の階級は5林分で、その内3林分で結実が認められた。林分の立地標高階級による結実率の割合に有意な違い認められなかった(χ2cal=1.48,P>0.05)。