2022年のブナの全国結実状況
林分の平均胸高直径階級、および林分標高階級と結実率階級の関係
〇アンケートの回答は37名の方から得られ、調査林分は76カ所であった。回答のあったブナ林分は北海道が2カ所、東北地方が7カ所、関東地方が5カ所、北陸地方が36カ所、中部地方(北陸を除く)が10カ所、関西地方が4カ所、中国地方が4カ所、四国地方が10カ所、九州地方が4カ所であった。これらの調査林分の分布は、日本におけるブナの分布地域の大部分をカバーしていた。
〇2022年に結実(結実率≧1)が観察された調査林分は、北海道2カ所、東北6カ所、関東7カ所、北陸24カ所、中部5カ所、関西4カ所、中国4カ所、四国8カ所、九州6カ所の計66林分であった。
〇調査を開始した1993年以降では、2022年の調査林分数に対する結実林分数の割合(87%)は、1995年(87%;佐藤, 1996)や2013年(90%;佐藤, 2014)とよく似た値で、結実率8-10の豊作林分の割合(50%)も、1995年(51%;佐藤, 1996)とほぼ同じであった。
〇有効な果実の散布が行われていると考えられる結実率3以上(佐藤, 2002)の林分は59カ所で、全調査林分の76%であった。これらの林分はすべての地域に分布していた。
〇林分の胸高直径階級と結実率の関係を図3に示した。胸高直径が20-39cm階級は11林分(全体の15%)の内8林分(73%)で、40-49cm階級は32林分(43%)の内27林分(84%)で、50-99cm階級は31林分(42%)の内29林分(93%)で、それぞれ結実率が1以上であった。3つの胸高直径階級間の結実率の分布(結実率<1と結実率≧1)に有意差は認められなかった(χ2cal=3.23,p>0.05)。
〇林分が立地する標高階級と結実率の関係を図4に示した。0-499m階級は15林分の内9林分(60%)で、500-999m階級は29林分の内25林分(86%)で、1000-1499m階級は26林分の内26林分(100%)で、1500m以上の階級は6林分の内6林分(100%)でそれぞれ結実率1以上であった。林分の立地標高階級による結実率の分布に有意な違いが認められた(χ2cal=14.32,p<0.05)。